糖尿病関連の開発支援
~新薬候補物質 酵素使い効能判断~
バイオベンチャーのプロテイン・エクスプレス(千葉市、大滝義博社長)は糖尿病関連の創薬を支援する受託研究を始めた。糖尿病や同病の合併症患者の体内に多く存在して病気との関連性が注目される酵素を活用し、新薬候補物質の有効性などを調べる。国内外の大手製薬会社は糖尿病関連の新薬開発を競っており、新分野の研究で需要を掘り起こす。
受託研究の対象となるのは血圧を調節する「アンジオテンシン」という物質をつくるもととなる「プロレニン」と呼ばれる酵素。糖尿病の合併症である糖尿病性腎症や糖尿病性網膜症の患者では健康な人の5~10倍の量があることが知られている。これらの病気との関連は詳しく分かっていないが、病気の生体指標(バイオマーカー)として生かせると判断した。
研究では例えば、患者に新薬候補物質を投与する前と投与した後で、血液中のプロレニン濃度の違いを調べる。投与後の患者でプロレニンの濃度が低下していれば新薬候補物質が治療薬として有効と判断できる。
病気の診断薬の実用化も目指す。血液中のプロレニンの濃度を測定すれば病気の早期発見につなげられる可能性がある。すでに大手診断薬メーカーと共同研究に着手しいており、数年内に実用化に向けた臨床試験(治験)の開始を目指す。
プロレニンは、アンジオテンシン生成に関与するレニンが作り出される前段階の物質。プロレニンとレニンの構造上の違いはわずかで、プロレニンだけに結合しやすい抗体を見つけ出すのが難しかったが、抗体を特定したことでプロレニン濃度を測る技術を確立した。
プロテイン・エクスプレスはヒゲタ醤油のバイオ事業部門が分離・独立して2000年に設立された。ヒゲタがしょうゆ製造で培った微生物や酵素にかかわる技術を基盤に、たんぱく質の機能解析に強みを持つ。糖尿病関連では当面、年数百万円の売り上げを目指す。
2009年9月30日 日経産業新聞