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>2009年08月13日
株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングが日経産業新聞で紹介されました!

J-TEC 再生医療事業化に挑む

ジャスダック・ネオに上場する再生医療のベンチャー企業、ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC)は、やけど治療用の培養表皮に続き、軟骨と角膜の事業化に意欲をみせる。国の理不尽な規制で思うように収益計画を立てられないもどかしさと闘いながら、再生医療の産業化という目標に挑む。小沢洋介社長は「新しい市場を作り出すとき、誰かがリスクを取らなければいけない。それが私たちの役割だ」と力説する。

患者本人の正常な皮膚から採取し培養する表皮細胞「ジェイス」は2007年、厚生労働省の製造承認を取得した。04年の申請から3年待ち、日本初の再生医療製品として話題になった。価格が定まる保険適用は09年1月で、1枚(8cm×10cm)当たり30万6000円と決まった。

いよいよ事業を本格展開しようと身を乗り出した矢先、「保険適用に関する留意事項」という、ただし書きが付け加えられた。この中に、J-TECが予想していなかった大きな制約が2点盛り込まれた。

1つは、保険でまかなえる枚数を患者1人当たり20枚までとする「算定限度」が設けられていたこと。

ジェイスを使える患者は、体表面積の30%以上の熱傷と対象が決められている。1枚の大きさは体表面積の約0・5%に相当し、30%のやけどを治療するには、単純計算で60枚必要だ。ところが留意事項で保険は20枚分までしか適用されない。残り40枚分は基本的に、J-TECが無償で提供することになる。

制約のもう1点は、特定一の届け出を行っている医療機関でなければ保険の申請ができない「施設用件」が課せられたことだ。

この要件を分かりやすく言い換えれば、やけど専用の集中治療室を備えている機関でしか、
ジェイスを扱ってはいけないという内容だ。全国にまだ23施設しかなく、北海道や中国地方には皆無という。皮膚移植の可能な医療機関はほかに約150施設あるとみられ、これも利用機会を増やせない原因になる。

国の医療財政は厳しく、保険に負担の大きい高額な医療は抑制圧力が強く働く。小沢社長はこうした事情を認めつつ「培養表皮だけのメーカーだったら、すでに会社を畳んでいただろう」と苦笑する。あきらめずに事業を続ける理由は、再生医療のニーズは確実にあり、将来性が見込めると展望するからだ。

大きな期待をかける次期製品は、培養軟骨だ。広島大学の越智光夫教授の成果を導入。患者本人から採取一した軟骨を培養し、欠損し一たり変形したりしたひじやひざの軟骨に移植する。数一十人の臨床試験の結果、9割の患者で効果を確認でき、製造販売承認を今年度中にも申請する計画だ。

培養表皮の市場規模は、重症のやけどだけを対象にすれば年間10億~30億円にすぎない。培養軟骨はこの10倍以上の規模を見込めそう。J-TECは、培養軟骨の審査にジェイスほど長い時間がかからないことを願っている。

期待されるバイオベンチャーだが、経営は厳しい。小沢社長は「単年度黒字化を早く達成し、後に続くベンチャーを元気づけられるようにしたい」と話す。


               2009年8月13日  日経産業新聞

2009年08月
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