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2009年04月06日
株式会社ジーンケア研究所が、日経産業新聞で紹介されました!

<核酸医薬、がん治療照準>

 バイオベンチャーのジーンケア研究所(神奈川県鎌倉市、石垣薫社長)はDNA(デオキシリボ核酸)などの働きを活用した核酸医薬の開発に取り組んでいる。来年にも人を対象にした臨床試験(治験)入りを目指す。核酸医薬は昨年十月に米ファイザーが日本発となる眼科の治療薬を発売し、話題になった。副作用の少なさを武器にジーンケアは抗がん剤の製品化を目指す。

 鎌倉市の閑静な住宅地に本社を置くジーンケア。三月にある大手製薬会社の新薬探索担当者がひそかにこの本社を訪れた。狙いはジーンケアが三月中旬にまとめたばかりのカニクイザルへの投与試験データ。石垣社長は「複数の製薬会社から問い合わせが寄せられている」と手応えを感じている。

 同社は昨年十二月、雄雌一匹ずつのカニクイザルにがん治療の新薬候補物質「RecQL1-siRNA(開発番号)」を投与する実験を実施。来月には試験データの分析を終了する予定だが、投与量を引き上げても重篤な副作用はみられなかった。

 すでに有効性を示すデータはマウスで得られている。「人間に近いサルで安全性が立証できれば、いよいよ次は人間。出来るだけ早く治験に着手したい」(石垣社長)としており、まず肝臓がんを対象に治験に乗り出したい考えだ。

 核酸医薬はDNAやRNA(リボ核酸)を構成する塩基を組み替え、合成して作製する。病気を引き起こす遺伝子やたんぱく質に狙いをつけて結合することで症状を抑えたり、病気を治したりできると考えられている。抗体医薬よりも副作用が少ないと言われ、世界中のバイオ創薬メーカーが開発に躍起になっている。

 いくつかの作用方法がある核酸医薬のうち、ジーンケアが得意とするのが「RNA干渉薬」という手法だ。

 同社はがん細胞の分裂に関わる酵素「RecQL1ヘリカーゼ」に着目。この酵素の働きを抑える塩基構造の核酸医薬を作製し、がんの増殖を抑える仕組みだ。この酵素に標的を絞っているため、副作用が少なくて済むとの期待がある。

 ジーンケア研究所は日本ロシュ(現中外製薬)やエーザイなどが官民共同プロジェクトを進めるために設立したエイジーン研究所が前身。プロジェクト終了後、人間の老化に関する遺伝子の研究成果などを引き継いだ。

 RecQL1ヘリカーゼなどがんに関わるとみられる複数の物質も、このプロジェクトの過程で発見した。ジーンケアは当初、従来と同様に低分子化合物の新薬を生み出そうと検討していたが、新治療法として世界的に注目が高まってきた核酸医薬に目を付け、核酸医薬の手法で新薬を作る方針に切り替えた。

 だが、核酸医薬は海外のバイオベンチャーが基本的な特許の多くを押さえている。ジーンケアも05年、核酸医薬に強い米アルナイラム・ファーマシューティカルズから基本特許の使用許諾を得る契約を締結。核酸医薬を商用化する環境を整えた。

 昨年秋の米金融危機を契機にバイオベンチャーに対する投資意欲は急速に冷え込んでいる。だが、『夢のバイオ医薬』と言われる核酸医薬に対する医療界の関心は強い。ジーンケアにとって第一号製品となるRecQL1-siRNAの有効性が製薬大手に認められれば、大手企業との連携が可能となり、実用化に大きく前進する。「提携交渉に力を入れたい」と石垣社長。節目の春を迎えている。

          日経産業新聞 2009年4月6日


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