核酸医薬の副作用防ぐ
~ハプロファーマ、核酸を立体構造に~
バイオベンチャーのハプロファーマ(徳島市、根本靖久社長)は遺伝子断片を使った薬「核酸医薬」の副作用を防ぐ技術を開発した。薬の元となる遺伝子断片「核酸」をヘアピン状の
立体構造にすることで、免疫細胞が反応しにくくなり、炎症などを防げるという。核酸医薬は次世代の治療薬として注目を集めており、課題だった副作用の抑制技術で実用化が加速しそうだ。
核酸医薬は人工合成して作った遺伝子の断片を投与し、病気の原因となる遺伝子などに直接作用する薬。人に投与すると、免疫反応を引き起こす受容体に核酸が結合し、炎症が起きるなど副作用の懸念があった。受容体は免疫細胞の表面にあるたんぱく質で、異物を認識すると免疫を活性化する働きを持つ。
新技術は核酸の作製方法を工夫。治療に使う塩基配列を作製したのち、塩基の一種「グアニン(G)」を片方の端に三つ並べて結合する。その後六十五ー七十度に加熱し、氷に漬けて冷やすと、一直線だった断片がヘアピンのように巻かれた状態になる。
この核酸をマウスの免疫細胞に投与したところ、免疫が活性化すると作られるたんぱく質が現れなかったという。
ヘアピン状の形態と三つのグアニンの結合を組み合わせると、免疫反応を引き起こす受容体が核酸を異物として認識しなくなり、炎症が起きにくくなると同社ではみている。グアニンが三つ並んだ状態が最も受容体に結合しにくいが、理論的な解明はできていないという。
受容体は短い遺伝子断片とは結合しないため、これまで短い断片を使って核酸医薬を開発していた。新開発の技術を使うと断片の長さに制約がなくなり、様々な疾病に対応できるよう自由な設計が可能になる。国内外の製薬会社に技術を供与する計画。
ハプロファーマは、2004年の設立。資本金は2億円で住友商事の医療関連子会社、住商ファーマインターナショナル(東京・中央、平山健社長)などが出資する。
日経産業新聞 2008年12月25日